2026年10月25日

「家族から、寝ているときに呼吸が止まっていると言われた」「十分寝たはずなのに、昼間に眠くなる」。このような症状がある方は、睡眠時無呼吸症候群が隠れているかもしれません。
睡眠中の呼吸の乱れは、自分では気づきにくいものです。今回は、気をつけたい症状や検査、治療についてご紹介します。
睡眠時無呼吸症候群とは?
睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)は、眠っている間に呼吸が止まったり、浅くなったりすることを繰り返し、体にさまざまな影響が生じる病気です。
最も多いのは、睡眠中にのどの空気の通り道が狭くなる「閉塞性睡眠時無呼吸」です。呼吸が妨げられると血液中の酸素が低下し、睡眠が何度も中断されます。本人に目が覚めた自覚がなくても、十分な休息がとれていないことがあります。
このような症状はありませんか?
すべての症状がそろうわけではなく、日中の眠気をあまり感じない方もいます。 ご家族からいびきや呼吸の停止を指摘された場合は、眠気がなくてもご相談ください。
太っていなくても起こります
肥満によってのどの周囲に脂肪がつくことは、気道が狭くなる原因の一つです。しかし、あごが小さい、扁桃が大きい、鼻づまりがあるなど、体の構造も関係します。
そのため、やせている方や女性にも起こる病気です。 「太っていないから大丈夫」とは限りません。また、就寝前の飲酒は、のどの筋肉を緩め、いびきや無呼吸を悪化させることがあります。
放置すると、どのような影響がありますか?
睡眠中の酸素不足や睡眠の中断は、体への負担になります。閉塞性睡眠時無呼吸は、高血圧や心房細動などの不整脈、心血管疾患との関連が知られています。
日中の眠気による仕事や生活への影響、居眠り運転にも注意が必要です。運転中に眠気を感じる方は運転を控え、早めに医療機関へ相談してください。
検査はどのように行いますか?
まず、いびきや眠気、ご家族からの指摘、持病などについてお伺いします。睡眠時無呼吸が疑われる場合は、睡眠中の呼吸を調べる検査を行います。
簡易検査は、携帯型の機器を装着し、ご自宅で普段どおりに眠りながら、呼吸や血液中の酸素の状態などを調べる方法です。
より詳しい評価が必要な場合は、**終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)**を行います。呼吸や酸素の状態に加えて、脳波などから実際の睡眠の状態も確認します。簡易検査で異常が目立たなくても、症状などから病気が疑われる場合には、精密検査が必要になることがあります。
治療は、重症度や原因に合わせて選びます
代表的な治療が、CPAP(シーパップ)療法です。就寝中に鼻などを覆うマスクを装着し、機器から空気を送り込むことで、のどの空気の通り道を開いた状態に保ちます。無呼吸を減らし、睡眠の質や日中の眠気の改善を目指します。
病状によっては、睡眠中に下あごを前方に保つ専用のマウスピースを使用します。扁桃の肥大などが関係する場合には、耳鼻咽喉科での治療を検討することもあります。
肥満がある方の体重管理、就寝前の飲酒を控えること、十分な睡眠時間の確保も大切です。仰向けで悪化する方では、横向きで寝ることが役立つ場合もあります。
月に1回の受診とオンライン診療について
当院でCPAP療法を受けている方は、月に1回の受診が必要です。 診察では、日中の眠気や体調の変化、機器の使用状況、治療効果などを確認します。
マスクからの空気漏れ、鼻づまり、口の乾燥など、使いにくさを感じる場合もご相談ください。マスクや機器の設定を調整することで、使いやすくなる場合があります。
当院では、治療開始後に状態が安定している方を対象に、オンライン診療にも対応しています。 ご利用には、主治医から説明を受け、同意書をご記入いただくことが必要です。ご希望の方は、診察時にご相談ください。
なお、オンライン診療中でも、体調の変化や治療状況に応じて、対面での診察や検査をご案内する場合があります。
いびきや眠気を「いつものこと」「年齢のせい」と見過ごさず、気になる症状があればご相談ください。睡眠中の呼吸を確認することが、毎日の体調を見直すきっかけになります。